icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学62巻1号

2011年02月発行

解説

mRNAの核外輸送と細胞内局在化機構

著者: 片平じゅん12 米田悦啓12

所属機関: 1大阪大学大学院 生命機能研究科 細胞ネットワーク講座 2大阪大学大学院 医学系研究科 生化学・分子生物学講座

ページ範囲:P.69 - P.74

文献概要

 真核生物では,転写の場である核とタンパク質翻訳の場である細胞質が核膜により物理的に隔てられている。そのため,転写されたmRNAの核外輸送は遺伝子発現において必須の過程となる。また,ある種の遺伝子のmRNAは核外輸送された後ただちに翻訳されるわけではなく,翻訳の鋳型として不活性な状態に保たれたまま細胞質内の適切な場所へ輸送され,適切なタイミングで活性化され,翻訳される。近年の研究から,mRNAの核外輸送,局在化の各過程は核内における転写やプロセシングの過程において結合するmRNA結合タンパク質の働きにより制御されることが明らかにされつつある。核内で結合したタンパク質が特定のmRNAを標識する“分子タグ”として機能し,細胞質における遺伝子発現の諸過程にも影響するのである。本稿では,mRNAの核外輸送,細胞内局在化の分子機構について,転写やスプライシングといったmRNAプロセシングとの共役機構を中心に概説する。

参考文献

8:761-773, 2007
115:3865-3871, 2002
19:410-420, 2000
108:523-531, 2002
127:1389-1400, 2006
21:160-174, 2007
6:149-152, 2009
31:91-103, 2008
33:215-226, 2009
159:579-588, 2002
9:881-891, 2003
11:558-566, 2004
22:66-78, 2008
35:1-10, 2009
101:9666-9670, 2004
13:201-212, 2004
28:556-567, 2009
24:86-96, 2010
19:1918-1924, 2009
118:4077-4081, 2005
165:203-211, 2004
428:959-963, 2004
3:195-205, 2002
20:2265-2275, 2009
24:1914-1926, 2010
328:504-508, 2010
21:1409-1421, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら