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特集 筋ジストロフィーの分子病態から治療へ
α-ジストログリカンの機能異常と筋ジストロフィー
著者: 斉藤史明1 松村喜一郎1
所属機関: 1帝京大学 医学部 神経内科
ページ範囲:P.88 - P.90
文献購入ページに移動 Dystrophin糖蛋白複合体は細胞外基底膜と細胞骨格を結合する細胞膜上の蛋白質複合体であり,ジストログリカン(dystroglycan;DG)はその中核をなす蛋白質である。この蛋白質複合体の構成蛋白質の欠損により,Duchenne型筋ジストロフィーをはじめとする多彩な筋ジストロフィーが発症することが知られる。近年,この蛋白質複合体の新たな崩壊機序が明らかにされ,注目を集めている。それは,一群の糖転移酵素と考えられる蛋白質をコードする遺伝子の変異によりα-DGの翻訳後修飾に異常が生じ,その結果α-DGの機能不全が生じ筋細胞の変性壊死が惹起されるというものである。本稿では,このα-DGの機能およびその異常により引き起こされる筋ジストロフィーの分子病態について解説する。
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