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文献詳細

雑誌文献

生体の科学62巻2号

2011年04月発行

文献概要

特集 筋ジストロフィーの分子病態から治療へ

肢帯型筋ジストロフィーの発症機構

著者: 反町洋之1 小野弥子1

所属機関: 1東京都医学総合研究所 カルパインプロジェクト

ページ範囲:P.95 - P.99

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 肢帯型筋ジストロフィー(Limb-girdle muscular dystrophy;LGMD)は,主に近位筋に症状が出る筋ジストロフィーで,多くは常染色体劣性遺伝を示す。LGMDの発症率は2万人に1人程度であるが,その中では2A型が最も頻度が高い(30~50%,本邦では2B型と同程度で30%)。現在までに18種類の多様な責任遺伝子と4種の遺伝子座が同定されている(表)。そこにコードされるタンパク質は大別すると四つに分類でき,構造タンパク質,タンパク質分解酵素,糖鎖修飾酵素,イオンチャネルとなる。構造タンパク質には,lamin A/Cのように核膜を裏打ちするもの,sarcoglycanのように筋細胞膜を裏打ちするもの,caveolin-3やdysferlinのように膜機能に関与するもの,そしてmyotilin,T-cap/telethonin,connectin/titinのように筋原線維を構成するものが含まれる。また,タンパク質分解酵素にはCa2+-要求性細胞質システインプロテアーゼであるcalpainとユビキチン(Ub)リガーゼであるTRIM32が含まれる。これらの筋ジストロフィーは,各分子機能が欠損することで病態を発症するということで,さらに臨床的に他の疾患として分類される例もあることを考慮して分子名に“-opathy”を付加して呼ばれることも多い。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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