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文献詳細

雑誌文献

生体の科学62巻2号

2011年04月発行

文献概要

特集 筋ジストロフィーの分子病態から治療へ

筋ジストロフィーに対するリードスルー治療

著者: 塩塚政孝1 松田良一1

所属機関: 1東京大学大学院 総合文化研究科

ページ範囲:P.134 - P.137

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1. リードスルー治療とは

 ナンセンス変異によるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne Muscular Dystrophy;DMD)では,ジストロフィン遺伝子エクソン内で点変異により一つの塩基が置換し,本来の翻訳終結部位より上流に未熟終止コドン(premature termination codon)が生じることで,機能的な全長ジストロフィンタンパク質が合成されずに遺伝子欠損症状を呈す。この未熟終止コドンを薬物により抑制し翻訳を進行させ,正常機能を有するタンパク質分子の発現を回復させることで症状の改善を目指す治療法がリードスルー療法である。ナンセンス変異症例はDMDでは本邦において19%を占め,2,400種を超えるナンセンス変異型遺伝性疾患の存在が明らかにされるとともに,それらの包括的化学療法としてもリードスルー治療は注目されている。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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