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文献詳細

雑誌文献

生体の科学62巻2号

2011年04月発行

特集 筋ジストロフィーの分子病態から治療へ

多能性幹細胞による筋ジストロフィー治療

著者: 櫻井英俊1

所属機関: 1京都大学iPS細胞研究所 臨床応用研究部門・特定拠点

ページ範囲:P.161 - P.164

文献概要

 人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells;iPS細胞)は,体細胞に特定の遺伝子を導入,発現させることにより,胚性幹細胞(embryonic stem cell;ES細胞)と同等の能力を持つようになった多能性幹細胞である1)。これらの多能性幹細胞は高い増殖力があり,理論上あらゆる体細胞へ分化することが可能であるため,細胞移植治療のソースとして期待されている。iPS細胞はES細胞に比べ,(1)患者自身の細胞から作り出すことができるため拒絶反応が回避できる,(2)受精卵を破壊しないため倫理的な問題が少ない,といった利点があり,脊髄損傷やⅠ型糖尿病など多くの難治性疾患に対するiPS細胞を用いた細胞移植治療研究が進展している。本特集で詳述されている筋ジストロフィーもまた難治性疾患であり,根治療法としての細胞移植治療が待ち望まれている。本稿では,筋ジストロフィーに対するこれまでの細胞移植治療研究の概説と,ES細胞およびiPS細胞を用いた細胞移植治療研究の現状を述べる。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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