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特集 インフラマソーム
細菌感染によるNLRP3およびNLRC4を介したインフラマソーム活性化
著者: 小泉由起子1 比嘉直美1 鈴木敏彦1
所属機関: 1琉球大学大学院 医学研究科 細菌学講座
ページ範囲:P.182 - P.187
文献購入ページに移動近年の研究の進展により,宿主自然免疫系システムの病原体パターン認識機構の一つnucleotide-binding oligomerization(NOD)-like receptors(NLRs)が,カスパーゼ-1活性化を介した炎症性サイトカイン産生・炎症誘導機構として注目されている。この機構は細菌,ウイルス,寄生虫などの病原体感染のみならず,自己免疫性の慢性炎症性疾患の病態形成にも関与していることが報告されている。NLRの中でもNLRP3およびNLRC4は多くの病原体の感染を認識して活性化する。また,AIM2はウイルスや細胞内寄生菌の感染において病原体の2本鎖DNAを認識する(土屋・光山先生の項202頁参照)。ところが最近,一部の菌ではNLRによる活性化機構に干渉し,免疫反応を回避する機構を持つことがわかってきた。このように,病原体と宿主の間には複雑な攻防が行われていることがNLR研究からも垣間みることができる。
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