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文献詳細

雑誌文献

生体の科学62巻3号

2011年06月発行

文献概要

特集 インフラマソーム

自然免疫系におけるDNAセンサーとインフラマソーム

著者: 髙岡晃教1 鈴木絵里加1 浦山優輔1 木口舞美1

所属機関: 1北海道大学 遺伝子病制御研究所 分子生体防御分野

ページ範囲:P.188 - P.201

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 脊椎動物における感染防御システムは自然免疫と適応免疫の二つの局面から構成されている。感染初期の自然免疫系の活性化は,パターン認識受容体によって病原体の構成分子を認識することで引き起こされる1,2)。ウイルスや細菌由来の核酸がターゲットとなり,RNAのみならずDNAもパターン認識受容体である特定のセンサータンパク質によって認識されることで,細胞内のシグナル経路が活性化され,自然免疫応答が誘導される3-5)。また,これらの核酸センサーによって自己の核酸も認識の対象となることで,自己免疫疾患や炎症性疾患の病態形成にかかわっていることも明らかとなってきている4)。これまで自然免疫系におけるRNA認識機構の研究が先行している一方で,DNA認識機構の研究は不明な点が多く残されている。

 その状況下,細胞質DNA認識にかかわる分子が最近,複数同定され,下流のシグナル経路が次第に明らかになってきた6-8)。自然免疫系におけるDNAセンサーの下流のシグナル経路はRNAシグナル経路と類似しており,基本的には炎症性サイトカインなど遺伝子発現を誘導するNF-κB(nuclear factor-kappa B)経路,Ⅰ型インターフェロン(interferon:IFN)誘導につながるIRF(IFN regulatory factor)経路,さらにインフラマソームの活性化を引き起こす経路などの主要経路が挙げられる4,9,10)

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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