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特集 インフラマソーム
インフラマソームの自発的活性化を病態とする自己炎症症候群
著者: 神戸直智1 佐藤貴史1 西小森隆太2
所属機関: 1千葉大学大学院 医学研究院 皮膚科学 2京都大学大学院 医学研究科 発達小児科学
ページ範囲:P.221 - P.227
文献購入ページに移動自己炎症症候群は周期熱を特徴とし,獲得免疫系の異常と考えられる自己免疫疾患を特徴づけている自己抗体や自己反応性T細胞などを認めず,自然免疫にかかわる遺伝子異常に基づく疾患と狭義には定義される。免疫学の分野で昨今注目される自然免疫系がポストゲノム時代を反映するように,遺伝子上のアミノ酸置換を起こすたった一つの変異によって破綻し特徴的な臨床症状を呈することに加え,本疾患群が臨床の場で注目されるのは,抗サイトカイン療法が奏功する点である。さらに,疾患概念が臨床の場で受け入れられるのに伴い,これまで膠原病類縁疾患として分類されているものの自己抗体を認めず,好中球機能異常などに伴って発熱や皮膚症状,関節炎などを認めるStill病やベーチェット病などへもその疾患概念が拡大しつつある2)。
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