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特集 インフラマソーム
ショウジョウバエにおける炎症応答と組織再生
著者: 小幡史明2 倉永英里奈1 三浦正幸2
所属機関: 1理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 組織形成ダイナミクス研究チーム 2東京大学大学院 薬学系研究科 遺伝学教室
ページ範囲:P.249 - P.256
文献購入ページに移動近年,ガンや神経変性疾患,自己免疫疾患などにおいて,組織傷害を発端とした炎症の誘発,修復困難および炎症収束不全による慢性的な炎症状態の継続が関与することが明らかとなってきており,その基本的な分子メカニズムの解明が期待されている1)。しかしながら,組織を構成する異種細胞間での複雑なクロストークを介した炎症応答を,特に個体レベルで明らかにするのは容易ではない。近年,遺伝学的な研究手法が高度に発達したショウジョウバエを用いて,様々な外的要因による組織傷害時にどのように自然免疫系が活性化し,炎症応答・組織再生が引き起こされるかを個体レベルで解析するアプローチが注目されている。本稿ではショウジョウバエで報告されているサイトカイン様タンパク質について紹介し,加えてこの数年で目覚ましいスピードで研究の進んだ,組織傷害による炎症応答と組織再生のメカニズムについて,その知見を概説する。
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