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特集 小脳研究の課題
下オリーブ核,プルキンエ細胞,小脳核が作る閉回路の学習における機能
著者: 川人光男1
所属機関: 1(株)国際電気通信基礎技術研究所 脳情報通信総合研究所
ページ範囲:P.287 - P.291
文献購入ページに移動 脳における学習にせよ,コンピュータやロボットなどの人工機械による学習にせよ,最も困難な理論的課題は学習の汎化能力を確保することである。つまり,教師あり学習,強化学習,統計的なヘッブ学習則などを用いれば,学習アルゴリズムの学習・訓練用に準備した,いわゆる訓練データに対しては正しい学習が行える。しかし,訓練データに含まれていないテストデータについても正しい答を導くことができる性能を汎化能力と呼ぶが,これを担保することは容易ではない。数理統計,人工的神経回路学習,あるいは機械学習などの研究分野では,学習の汎化能力を高めるために,学習システムの自由度を制御する様々な手法がこれまで提案されてきた。しかし,脳の学習にも必須と考えられる,この自由度の制御に関する理論はこれまで提案されてこなかった。下オリーブ核,プルキンエ細胞,小脳核が作る閉回路の役割が,この学習システムの自由度の制御にあるという新しい理論とその背景を紹介する。
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