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文献詳細

雑誌文献

生体の科学62巻4号

2011年08月発行

文献概要

特集 小脳研究の課題

多様なニューロンにより精緻化される小脳神経回路

著者: 廣野守俊1

所属機関: 1独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター 運動学習制御研究チーム

ページ範囲:P.292 - P.297

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 中枢神経の機能を理解するには神経回路を構成するニューロンの形態学的・生理学的性質を詳細に把握する必要がある。この還元論的なアプローチをより厳密に遂行するには少数派ニューロンの解明も求められる。これまで小脳皮質の神経回路は主に5種類のニューロン,すなわち,顆粒細胞,ゴルジ細胞,プルキンエ細胞,バスケット細胞,ステレート細胞で構成され,これらニューロンのかかわるシナプス可塑性が運動の記憶学習に寄与すると考えられてきた。しかし,実際には小脳顆粒細胞層にはルガロ細胞などの少数派の抑制性介在ニューロンが存在する。近年,ゴルジ細胞やルガロ細胞には多くのサブグループが存在することが形態学的にわかってきたが,その生理学的特性や役割はほとんど知られていない。本稿では,まず典型的なルガロ細胞である紡錘形ルガロ細胞について概説し,次に近年同定されたルガロ細胞のサブグループであるグロビュラー細胞について,筆者らの最新のデータを紹介しながら解説する。そして,ルガロ細胞を加えた小脳皮質回路の特徴について検討する。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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