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特集 小脳研究の課題
小脳とBMI
著者: 平田豊1
所属機関: 1中部大学 工学部 情報工学科
ページ範囲:P.298 - P.304
文献購入ページに移動 BMI(Brain-Machine Interface)とは,その名のとおり,脳と機械をつなぐインタフェースのことである。今世紀に入り,BMIを介して脳活動により義手や義足,コンピュータのカーソルなどの外部機器を制御する技術や,逆に,人工網膜や人工蝸牛などの外部機器によりセンシングされた外界情報を脳に入力する技術が発展している。また,パーキンソン病などの症状を緩和するためにBMIを介して脳の深部に電気刺激を与える技術が実用化され,臨床にも応用されている。
BMIのもう一つの重要な用途として,神経科学研究への応用がある。従来のシステム神経科学研究の方法では,運動などの身体出力とそれにかかわると考えられる神経細胞活動の間の相関を見ているだけにすぎず,直接的な因果関係を証明できないことが指摘されている1)。これに対し,BMI技術を応用することにより,神経細胞活動と身体応答の間の一対一の因果関係を評価できる可能性がある1)。本稿では,BMIの小脳神経科学研究への応用,特に,小脳皮質神経回路の出力を担う最小単位である単一Purkinje細胞が,運動の学習過程で果たす役割を直接証明するためのBMIの活用例について述べる。
BMIのもう一つの重要な用途として,神経科学研究への応用がある。従来のシステム神経科学研究の方法では,運動などの身体出力とそれにかかわると考えられる神経細胞活動の間の相関を見ているだけにすぎず,直接的な因果関係を証明できないことが指摘されている1)。これに対し,BMI技術を応用することにより,神経細胞活動と身体応答の間の一対一の因果関係を評価できる可能性がある1)。本稿では,BMIの小脳神経科学研究への応用,特に,小脳皮質神経回路の出力を担う最小単位である単一Purkinje細胞が,運動の学習過程で果たす役割を直接証明するためのBMIの活用例について述べる。
参考文献
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