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文献詳細

雑誌文献

生体の科学62巻5号

2011年10月発行

特集 細胞核―構造と機能

1.核 膜

核膜タンパク質エメリン

著者: 原口徳子1 岩本政明1

所属機関: 1(独)情報通信研究機構 未来ICT研究所

ページ範囲:P.370 - P.371

文献概要

 筋ジストロフィーの原因となる分子は,筋細胞の細胞膜か細胞質に存在するものがほとんどである。それに対してX染色体劣性遺伝形式をとるエメリー・ドライフェス型筋ジストロフィー(X-linked Emery-Dreifuss muscular dystrophy;X-EDMD)は,核膜に局在する膜タンパク質エメリンの欠失か変異が原因となる1,2)。核ラミナを構成するラミンAの変異も,全く同じ症状を示す常染色体優性遺伝性のEDMDを起こすことが知られている。EDMDは幼児期に発症し,1)病初期から起こる後頸部,肘部,アキレス腱の拘縮,2)進行性の上腕下腿型の筋萎縮と筋力低下,3)心伝導障害を伴う心筋症の三大症状を伴う進行性の筋ジストロフィーである。ほとんどの組織で発現しているエメリンやラミンAがなぜ特定の組織の異常につながるのか,そのメカニズムの解明が待たれている。

参考文献

8:323-327, 1994
12:254-259, 1996
18:73-79, 2004
1:40-52, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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