文献詳細
文献概要
特集 細胞核―構造と機能 2.核膜孔複合体
Importin αの多様性と生理的機能
著者: 盛山哲嗣1 米田悦啓1
所属機関: 1大阪大学大学院 生命機能研究科 細胞ネットワークグループ
ページ範囲:P.394 - P.395
文献購入ページに移動核-細胞質間分子輸送のなかで,代表例としてimportin αとimportin β1によるタンパク質の核内輸送がある。転写因子や複製因子など核で働くタンパク質の多くは,その分子内に核へ移行するための塩基性アミノ酸に富んだ配列「核移行シグナル(nuclear localization signal;NLS)」を持っている。その配列を受容体であるimportin αが認識する。そして核膜孔複合体と親和性のある輸送担体importin β1と三者複合体を形成し,エネルギー依存的に核へと選別輸送される。その後,核内ではRanと呼ばれる主として核内に局在を示す低分子量GTPaseがimportin β1に結合して三者複合体から輸送基質の解離を促し,importin αとimportin β1はそれぞれ細胞質へとリサイクルされる。
参考文献
掲載誌情報