文献詳細
特集 細胞核―構造と機能
3.核骨格
核マトリックスタンパク質
著者: 堀米恒好1 古川和広1 粂田昌宏2 平井悠哉2 竹安邦夫2
所属機関: 1新潟大学 理学部 化学科 2京都大学大学院 生命科学研究科
ページ範囲:P.402 - P.403
文献概要
核マトリックスタンパク質画分調製には多くの場合,Feyらの方法1)またはその一部を改変した方法が用いられている。石井らは,HeLa細胞の核マトリックス画分のプロテオーム解析で333種のタンパク質を同定した2)。その結果,1)プロテオームの半分以上をRNA結合タンパク質,転写因子,DNA結合タンパク質およびリボソームタンパク質が占めること,2)39種の新規タンパク質が含まれていること,3)WD40リピートを持つタンパク質(WDタンパク質)および天然変性状態の領域を多く含むタンパク質(DOタンパク質)が,全ヒトタンパク質より高い割合で含まれていることを明らかにした。WDタンパク質,DOタンパク質とも種々のタンパク質複合体のコアタンパク質になっている例が多く知られていることから,われわれは,これらのタンパク質をコアとしたタンパク質複合体が核内構造形成の単位となって,それらがさらに機能的,動的に結合してタンパク質超複合体が形成され,それが核内構造形成に働いているというdynamic scaffold modelを提唱した。
参考文献
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