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文献詳細

雑誌文献

生体の科学62巻5号

2011年10月発行

文献概要

特集 細胞核―構造と機能 4.核小体

リボソームRNA遺伝子の安定性と細胞老化

著者: 小林武彦1

所属機関: 1国立遺伝学研究所 細胞遺伝研究部門

ページ範囲:P.416 - P.417

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 リボソームRNA遺伝子(rDNA)は核小体に存在する反復遺伝子で,リボソームのタンパク質合成を触媒するRNA分子をコードしている。リボソームは細胞中で最多のタンパク質-RNA複合体であり,そのためrDNAも1コピーでは足りず,真核細胞では100コピー以上が染色体上に巨大な反復遺伝子群を形成している。通常このような反復配列はリピート間で組換えを起こし,コピーが脱落してしまうが,rDNAにはそれを最小限に食い止める「サイレンシング」機構と,コピーが減少したときに元に戻す「遺伝子増幅」機構がコピー数を一定量に維持している。しかし,それでも恒常的にコピー数の増減を繰り返すゲノム中で最も不安定な領域である。本稿ではこのようなユニークな性格を持つrDNAの細胞機能に与える影響を概説する。

参考文献

309:1581-1584, 2005
35:683-693, 2009
19:3848-3856, 1999
30:267-272, 2008
301:1908-1911, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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