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文献詳細

雑誌文献

生体の科学62巻5号

2011年10月発行

文献概要

特集 細胞核―構造と機能 4.核小体

核小体タンパク質フィブリラリン

著者: 牛田千里1 藤原俊伸2

所属機関: 1弘前大学 農学生命科学部 分子生命科学科 2微生物化学研究所 生物活性研究部

ページ範囲:P.420 - P.421

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フィブリラリンの発見とその分子機能および生理機能の解明

 フィブリラリン(fibrillarin)はChristensenらによって粘菌(Physarum polycephalum)からはじめて単離され,核小体に豊富に存在するタンパク質として報告された(1977年)。その後,酵母やアフリカツメガエル,ショウジョウバエ,マウス,ヒトなど,広く他の真核生物にも同様のタンパク質があることが確認され,これが進化的に保存された重要なタンパク質であることが示唆された。その名前は哺乳動物の細胞で核小体の線維質の領域(fibrillar center;FCおよびdense fibrillar component;DFC)に局在することに由来する1)。1980年代後半から1990年代前半にかけて,酵母を用いた遺伝学的な解析や培養細胞を用いた生化学的な解析が進められ,その分子機能および生理機能に関する多くの知見が得られた。その結果,フィブリラリンは一群の核小体低分子RNA(small nucleolar RNA,snoRNA)と結合して,rRNA前駆体のプロセッシングや修飾に機能することがわかった。

参考文献

54:123-134, 1985
2)Gerbi SA et al:Cold Spring Harbor Symposia on Quantitative Biology, Vol. LXVI. pp575-590, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 2001
3)Bachellerie J-P, Cavaille J:Modification and Editing of RNA, Henri Grosjean RB(Ed), pp255-272, ASM Press, Washington DC, 1998
35:1452-1464, 2007
39:939-949, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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