文献詳細
文献概要
特集 細胞核―構造と機能 5.染色体
ヒストンH4の化学修飾
著者: 伊藤昭博1
所属機関: 1理化学研究所 基幹研究所 吉田化学遺伝学研究室
ページ範囲:P.444 - P.445
文献購入ページに移動 ヒストンH4はヒストン八量体を形成するコアヒストンの一つである。ヒストン八量体に約146bpのDNAが左巻きに約1.65回巻き付き,ヌクレオソームと呼ばれるクロマチン構造の基本単位を形成する。クロマチンの構造変換が遺伝子発現に重要な影響を及ぼすことが知られており,コアヒストンの翻訳後修飾がその制御機構において中心的な役割を果たす。コアヒストンのN末端はヒストンテールと呼ばれ,正電荷を持つアミノ酸残基を豊富に含んでおり,その中の特定の側鎖がアセチル化,メチル化,リン酸化などの化学修飾を受ける。これらの化学修飾は修飾酵素,脱修飾酵素により可逆的に制御されている。ここでは,ヒストンH4のヒストンテール上で起こる化学修飾に焦点を絞り,その概要と最近明らかとなった機能について紹介する。
参考文献
328:753-756, 2009
127:1361-1373, 2006
470:124-128, 2011
10:68-72, 2011
37:391-100, 2005
掲載誌情報