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文献詳細

雑誌文献

生体の科学62巻5号

2011年10月発行

特集 細胞核―構造と機能

5.染色体

セントロメアの構造

著者: 深川竜郎1

所属機関: 1国立遺伝学研究所 分子遺伝研究部門

ページ範囲:P.454 - P.457

文献概要

 染色体の複製や分配に異常が起きると,娘細胞へ正確な染色体情報が伝わらない。このような染色体異常は細胞のがん化の重要な要因の一つと考えられている。

 細胞周期のS期で複製された染色体はM期(分裂期)において両極から延びた紡錘体に捉えられ,娘細胞へと分配される(図)。このM期における染色体分配の際に,紡錘体が結合する染色体の特殊構造を動原体(キネトコア)と呼んでおり,動原体が形成されるゲノム領域のことをセントロメアと定義している(図)。セントロメア領域がどのように決まるのかという質問に対する答えは単純ではなく,多様なメカニズムが存在する。このメカニズムを理解するためには,各種モデル生物においてセントロメア領域のゲノム構造を比較することが大切である。本稿では,各モデル生物におけるセントロメア領域のDNA構造について紹介し,セントロメア領域がどのように決まるのかについて,現在受け入れられているモデルを解説する。

参考文献

6:150-154, 1990
20:529-533, 2004
20:1219-1228, 2010
401:547-548, 1999
144:471-479, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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