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文献詳細

雑誌文献

生体の科学62巻5号

2011年10月発行

特集 細胞核―構造と機能

5.染色体

キネトコアと微小管の結合を制御するタンパク質CAMP

著者: 田中耕三1

所属機関: 1東北大学 加齢医学研究所 分子腫瘍学研究分野

ページ範囲:P.468 - P.469

文献概要

 ここ10年ほどの間にキネトコアを構成する分子は急速に明らかになりつつあり,その多くが酵母からヒトまで種を超えて保存されていることがわかってきた1)。また,これらの分子によるキネトコアの基本的な構造もかなり理解されてきている2)。その一方でキネトコアに存在する新たな分子が現在も次々に報告されている。そのあるものはスクリーニングにより同定され,また,これまで他の機能で知られていた分子がキネトコアに局在することが明らかになった例もある。これらの分子にはヒトなどの高等真核生物でのみ存在するものも多く,より複雑な染色体分配制御に機能しているものと考えられる。われわれは最近,染色体分配に関与する新規分子CAMPを発見した3)。CAMPは脊椎動物にのみ存在し,キネトコアと微小管の結合の維持に必要であることが明らかになった。ここでは新たなキネトコアタンパク質としてのCAMPの特徴と機能を紹介する。

参考文献

28:2511-2531, 2009
145:410-422, 2011
30:130-144, 2011
130:611-623, 2007
25:6103-6111, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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