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文献詳細

雑誌文献

生体の科学62巻5号

2011年10月発行

文献概要

特集 細胞核―構造と機能 7.核内移行

活性化Tリンパ核ファクター(NFAT)の核シャトリング

著者: 芝崎太1

所属機関: 1(財)東京都医学総合研究所 分子医療プロジェクト

ページ範囲:P.490 - P.491

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 NFAT(nuclear factor of activated T cell)はT細胞活性化に重要なIL-2の転写因子として発見され,さらには免疫抑制剤であるCsAやTacrolimus(FK506)の直接の標的であるserine/threonine脱リン酸化酵素,カルシニューリン(CnA)によりその転写活性調節を受けている1)。これまでにNFATは別々のグループからの命名で混乱していたが,現在では大別してNFAT1(NFATp or NFATc2),NFAT2(NFATc or NFATc1),NFAT3(NFATc4),NFAT4(NFATc3 or NFATx),NFAT5の5種類のサブタイプが報告され,免疫系にとどまらず多くの臓器で重要な役割を果たしていることが報告された1)。直接制御するサイトカインもIL-2にとどまらず,多くの標的因子が報告されている2)

 最初の遺伝子として同定されたNFAT1/pは,NF-κBと緩い相同性を持つDNA結合領域(Rel相同領域:Rel homology domain)が存在し,N末端のserine-rich領域と数ヵ所の核移行シグナル(nuclear localization signal;NLS)が認められ,脱リン酸化により細胞質から核内へと移行する活性制御を受けていることが明らかにされた3)

参考文献

131:1-15, 2002
2)芝崎 太:実験医学 20:64-71,2002
382:370-373, 1996
9:810-820, 2009
57:411-420, 2000
93:851-861, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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