文献詳細
特集 細胞核―構造と機能
7.核内移行
文献概要
生体内では環境変化に応じてさまざまな化学的プロセスが,タンパク質や核酸などの生体分子の相互作用を介して実行されている。なかでも,細胞内外の刺激に応じたタンパク質の核-細胞質間輸送は,特定の標的遺伝子の発現量を調節するうえで極めて重要な現象である。生体内において,タンパク質核内移行はリガンドの結合,タンパク質のリン酸化や限定分解により厳密に制御されている。一方,ガン細胞などの疾患細胞の中には,タンパク質の核-細胞質間輸送に異常をきたす細胞の存在が知られている。したがって,生きた細胞や生体内でどのタンパク質がどれほど核-細胞質間輸送されているかを検証することは,生命科学研究において大きな課題の一つである。
本稿では,筆者らのグループが開発した「プロテインスプライシング反応に基づくレポータータンパク質の再構成法」を利用し,タンパク質の核内移行を可視化検出するプローブタンパク質のデザインとその実用例について紹介する。
本稿では,筆者らのグループが開発した「プロテインスプライシング反応に基づくレポータータンパク質の再構成法」を利用し,タンパク質の核内移行を可視化検出するプローブタンパク質のデザインとその実用例について紹介する。
参考文献
7:1376-1387, 2011
2)今井一洋,近江谷克裕:バイオ・ケミルミネセンスハンドブック,丸善,東京,2006
101:11542-11547, 2004
77:6588-6593, 2005
362:148-150, 2007
掲載誌情報