文献詳細
特集 細胞核―構造と機能
8.その他
文献概要
テトラヒメナやゾウリムシなどの繊毛虫は小核と大核の2種類の核を持つ。2種類の核を持つ生物は広い生物界の中で繊毛虫類だけである。テトラヒメナ(Tetrahymena thermophila )は原生生物界,アルベオラータ門,繊毛虫亜門,貧膜口綱,膜口亜綱,ミズケムシ目に属する体長50μm,幅30μmの単細胞生物で,体表にある多数の繊毛によって遊泳運動を行う。池や沼などに棲息し,細胞前方にある口部装置で餌を食胞に取り込んで吸収分解する。大核は直径約10μmで細胞の中央に存在する。小核は直径約1μmで大核の表面にあるくぼみにはまり込んでいる。本稿ではテトラヒメナの小核と大核について,構造と機能,分裂様式,大核分化の仕組みなどについて紹介する。
参考文献
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