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解説
ヒト全エクソンシーケンスによる希少疾患ゲノム解析
著者: 細道一善1 井ノ上逸朗1
所属機関: 1国立遺伝学研究所 人類遺伝研究部門
ページ範囲:P.587 - P.591
文献購入ページに移動 われわれがヒト表現型を理解するうえでゲノム多様性を知ることはきわめて重要である。2007年のJ. Craig Venterのゲノム配列決定以降,個人のゲノム配列が次々と決定され,さらに1000ゲノムプロジェクトの進展とともに各集団におけるrare variantも明らかとなってきている。これは,ひとえに次世代シークエンサーを駆使したパーソナルゲノム配列解析技術の高速化によって,個人ゲノムが数日で決定できることが可能となったことによるものであり,ゲノム研究はいわゆるパーソナルゲノム時代を迎えている。パーソナルゲノム研究の進展はテーラーメイド医療などのシステム医学への本格的な実用化に直結し,臨床への影響も大きい分野である。筆者らはまず家族性希少疾患を対象とし,全エクソンのシーケンスを進めている。全エクソンは長さとしては全ゲノムの約1%を占めるに過ぎないが,タンパク質に翻訳される領域であることから機能的に最も重要なDNA配列である。本稿では,ここ数年で多くの成果を挙げている全エクソンシーケンスによる家族性希少疾患の原因遺伝子検索について概説する。
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