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文献詳細

雑誌文献

生体の科学63巻1号

2012年02月発行

文献概要

特集 小脳研究の課題(2)

孤児受容体が明らかにした新しいシナプス形成原理―Cbln1とGluD2

著者: 柚﨑通介1

所属機関: 1慶應義塾大学 医学部 生理学

ページ範囲:P.11 - P.19

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 神経回路の基本的な機能は,シナプスを介した情報の伝達と貯蔵にある。したがって,シナプスがどのように形成され,そして神経活動に応じて改変・維持されるかという問題は神経科学の中心的課題の一つである。近年,NeurexinやNeuroliginなどのシナプス形成・維持を制御する分子群(シナプスオーガナイザー)が数多く同定された。精神発達遅滞や自閉症などの数多くの精神神経障害がシナプスオーガナイザーをコードする遺伝子の異常に起因することも明らかになってきており,これらの分子群の機能を解明することの重要性が示されている1)

 小脳は神経回路とともに,個体レベルにおける回路の入出力と行動との関係が最もよくわかっている中枢領域の一つである。小脳失調を示す突然変異マウスや遺伝子欠損マウスも多く存在し,これらのマウスを解析することによって,小脳神経回路のシナプス形成原理についてさまざまな知見が得られている2)。本総説では,平行線維-プルキンエ細胞シナプス形成機構に焦点を当て,特に近年飛躍的に進展を遂げたCbln1によるシグナリングを中心に簡単にまとめる。各分子についてのより詳しい解説については他の総説を参照いただきたい3,4)。さらに,「小脳研究の課題」という特集であることを踏まえ,この研究分野における課題についても考察する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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