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文献詳細

雑誌文献

生体の科学63巻1号

2012年02月発行

文献概要

特集 小脳研究の課題(2)

TMSによる小脳研究―現状とその将来性

著者: 代田悠一郎1 寺尾安生1 宇川義一2

所属機関: 1東京大学 医学部 神経内科 2福島県立医科大学 神経内科

ページ範囲:P.42 - P.50

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 経頭蓋磁気刺激法(transcranial magnetic stimulation:TMS)は1985年にBarkerらにより初めて報告された非侵襲的脳刺激法である1)。TMSを用いた研究の利点は特定のヒト脳部位を非侵襲的に刺激できることにあり,画像研究その他にはない情報を得ることができる。さらに,反復経頭蓋磁気刺激(repetitive TMS:rTMS)を行うことにより長期増強や長期抑圧に類似する大脳興奮性変化が生じることも知られており,神経・精神疾患の治療応用という点からも注目されている。現状ではTMS研究の多くは大脳皮質に関するものであり,小脳に対するTMSにおいては大脳皮質に対するTMSとは異なる配慮が必要な面がある。本稿ではまず小脳へのTMSの特徴を述べ,次いで,これまでに蓄積されてきたTMSによる小脳刺激検査の知見を一次運動野(M1)興奮性との関連を中心に議論する。最後に,将来の展望という点から治療応用についても言及する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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