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日本におけるデュシェンヌ型筋ジストロフィー患者登録システム―国際的な希少疾病データベースモデルとしてのRemudyの取り組み
著者: 木村円1 中村治雅2 林由起子1 西野一三1 川井充3 武田伸一1
所属機関: 1国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナルメディカルセンター 2 3国立病院機構 東埼玉病院
ページ範囲:P.62 - P.68
文献購入ページに移動そのうち最も治療薬開発が進んでいる疾患の一つに,デュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy:DMD)が挙げられる。DMDはX染色体に存在するジストロフィン遺伝子が欠損しているために発症する遺伝性疾患1)である。筋ジストロフィーの中でも頻度が高い病型であり,出生男児約3,500人につき1人の割合で発症し,日本では5,000人前後の患者がいると推測される。運動機能が徐々に低下して,10歳ごろに歩行が困難になり,その後呼吸機能低下や心臓機能低下を来す疾患である。これまで,リハビリテーション,鼻マスクなどによる人工呼吸,心機能低下に対するβ遮断薬やACE阻害薬,ARBによる治療,ステロイド治療などにより運動機能の改善,生命予後の改善が図られてきたが,これらの多くは対症療法的な治療であった。しかしながら,近年はより病態に近づいた治療薬開発が行われるようになっている。
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