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特集 細胞極性の制御
微小管モータータンパク質GAKIN/KIF13Bによる神経細胞の極性制御
著者: 三木裕明1
所属機関: 1大阪大学 微生物病研究所 細胞制御分野
ページ範囲:P.200 - P.204
文献購入ページに移動 神経細胞は軸索や樹状突起と呼ばれる特徴的な突起構造を介して結ばれた細胞集団ネットワークを組織し,情報の処理や統合を行う。このとき,樹状突起は神経細胞への「入力」を受け取って細胞体に伝え,それが十分な大きさに達する場合に細胞体から伸びた軸索が他の細胞へ刺激を「出力」する。つまり刺激情報は方向性をもって神経細胞を伝わっており,軸索・樹状突起の高度な極性化がそれを支える基盤となる。初代培養の海馬由来神経細胞を用いた研究から,未成熟な細胞突起集団から一つの軸索が選択される極性形成のプロセスが明らかとなり1),神経細胞はダイナミックな極性制御研究のモデルとしても用いられるようにもなった。貝淵らのグループによるCRMP2(collapsing response mediator protein 2)を用いた研究を皮切りとして2),神経細胞極性制御の分子レベルでの解析が急速に進み,Parファミリーなど進化的に保存された極性制御因子群が神経細胞の極性化に重要な役割を果たすことが明らかとなっている。神経細胞の極性化に関しては本誌別稿に詳しく述べられているが,本稿では特に極性制御キナーゼPar1と微小管モータータンパク質GAKIN/KIF13B(guanylate kinase-associated kinesin/kinesin superfamily 13B)の軸索形成における役割について概説する。
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