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文献詳細

雑誌文献

生体の科学63巻3号

2012年06月発行

文献概要

特集 細胞極性の制御

上皮細胞の極性形成におけるクラシックカドヘリンおよびp120-カテニンの役割

著者: 鈴木信太郎1 藤原美和子1

所属機関: 1関西学院大学 理工学部 生命科学科 神経生物学

ページ範囲:P.218 - P.223

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 多細胞生物は様々な機能を果たすためにいろいろな極性構造を有している。なかでも上皮組織における上下方向の極性は多細胞生物の示す代表的な極性の一つである。上皮細胞の極性形成には様々な分子が関与しているが,細胞間接着分子も重要であり,Ca2+依存性の細胞間接着タンパク質であるクラシックカドヘリン(以下カドヘリン)が重要な役割を果たしているものと考えられている。カドヘリンはもともと形態形成過程において中心的な役割を果たしている接着タンパク質として同定されたことから,これまで様々な角度から詳しい研究が行われてきている。その結果,カドヘリンの機能は単なる特異的な接着にとどまらず,タイトジャンクションやデスモソームなど他の接着構造体や上皮細胞の極性の形成・維持,さらには神経系の特異的ネットワークの形成などに関与していることが明らかにされている。しかし,これらの分子的作用機構は必ずしも十分解明されているわけではない。この総説では主に,上皮細胞の極性形成におけるカドヘリンおよびそこに結合するp120-カテニンの役割について概説する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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