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文献詳細

雑誌文献

生体の科学63巻3号

2012年06月発行

文献概要

特集 細胞極性の制御

非古典的Wntシグナルによる極性と幹細胞性維持の制御

著者: 遠藤光晴1 南康博1

所属機関: 1神戸大学大学院 医学研究科 細胞生理学分野

ページ範囲:P.224 - P.228

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 非古典的Wntシグナルは平面内細胞極性(planar cell polarity:PCP)経路とCa2+経路に大別され,β-カテニン依存的な古典的Wntシグナルと区別される。多様なWntシグナル伝達経路のなかで特定のシグナル経路が活性化されるメカニズムとしては,液性因子であるWntが結合する受容体の違いが関与することが明らかになっており,Rorファミリー受容体型チロシンキナーゼ(RTKs)はWnt5aの受容体として働くことでPCP経路を活性化し,形態形成などにおいて細胞の極性,運動などを制御する。一方で,RorファミリーRTKsは線虫からヒトまで種を越えて保存された構造を持っており,脳神経系での発現が共通する特徴であるが,脳神経系での機能については不明であった。本稿では,まずRorファミリーRTKsを介した非古典的Wntシグナルによる細胞極性制御について概説した後,最近明らかになった神経幹細胞の幹細胞性維持におけるRorファミリーRTKsの役割について,筆者らの最新のデータを紹介しながら解説する。

参考文献

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2012(in press)
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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