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文献詳細

雑誌文献

生体の科学63巻3号

2012年06月発行

文献概要

解説

足細胞の生化学

著者: 佐藤大輔1 廣瀬智威1 大野茂男1

所属機関: 1横浜市立大学大学院 医学研究科 分子細胞生物学研究室

ページ範囲:P.243 - P.250

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 腎臓の糸球体は腎臓の血液濾過機能の根幹を担うきわめて重要な小器官である。人工透析を必要とする末期腎不全に至る腎疾患の約7割は,糸球体の機能異常に起因する糸球体疾患が進行して引き起こされる1)。高齢化や生活習慣の変化などの要因により,わが国における人工透析患者数は増加の一途を辿り,人工透析の費用が国民の医療経済を圧迫する要因ともなっている2)。しかし,糸球体疾患の発症や進行の機序はいまだに殆ど不明であり,医療の観点からも国民医療経済の観点からも,その発症や進行の機序の解明と診断法・治療法の確立が強く望まれている。

 糸球体における血液濾過の主役は,糸球体毛細血管を覆う上皮細胞である足細胞が作るスリット膜であることがわかってきた。遺伝性の腎糸球体疾患の責任遺伝子の同定を契機として,スリット膜の構成因子やポドサイトの機能発揮にかかわる分子群の同定も大きく進んでいる。しかし,足細胞の形態維持やスリット膜の形成,維持を担う分子機構については,いまだに理解が進んでいない。

参考文献

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2)厚生労働省大臣官房統計情報部人口動態・保健統計課保健統計室,2011
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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