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特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官 2.小胞体
糖タンパク質の小胞体関連分解経路
著者: 潮田亮1
所属機関: 1京都産業大学 総合生命科学部
ページ範囲:P.372 - P.373
文献購入ページに移動 新規に合成された分泌タンパク質や膜タンパク質のおよそ30%が小胞体に入り,分子シャペロンや酸化還元酵素の働きによって正しい立体構造へとフォールディングが試みられる。しかし,すべてのタンパク質が正しくフォールディングされるわけではなく,ミスフォールドしたタンパク質は小胞体が持つ品質管理機構に従って適切に処理されなければならない。
小胞体の品質管理機構の代表的な一つとして小胞体関連分解(endoplasmic reticulum associated degradation;ERAD)が備わっている。ERADはミスフォールドしたタンパク質を選択的に小胞体からサイトゾルへ逆行輸送チャネルを介して逆行輸送し,ユビキチン-プロテアソーム系で分解させる一連の機構である1)。本稿では糖タンパク質に着目し,レクチンタンパク質EDEMや還元酵素ERdj5を介した基質認識から逆行輸送までの小胞体内での巧妙なプロセスについて紹介する。
小胞体の品質管理機構の代表的な一つとして小胞体関連分解(endoplasmic reticulum associated degradation;ERAD)が備わっている。ERADはミスフォールドしたタンパク質を選択的に小胞体からサイトゾルへ逆行輸送チャネルを介して逆行輸送し,ユビキチン-プロテアソーム系で分解させる一連の機構である1)。本稿では糖タンパク質に着目し,レクチンタンパク質EDEMや還元酵素ERdj5を介した基質認識から逆行輸送までの小胞体内での巧妙なプロセスについて紹介する。
参考文献
490:235-258, 2011
2:415-422, 2001
23:1020-1029, 2004
321:569-572, 2008
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掲載誌情報