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特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官 2.小胞体
小胞体ストレスとアポトーシス
著者: 後藤知己1 尾池雄一2
所属機関: 1熊本大学 教育学部 養護教諭養成課程 2熊本大学 生命科学研究部 分子遺伝学分野
ページ範囲:P.384 - P.385
文献購入ページに移動細胞は小胞体機能障害が回復困難なほど大きい場合,アポトーシス経路を活性化し,障害細胞自体を処理することにより周辺の細胞を守る。小胞体機能の改善・維持に働く小胞体ストレス経路の場合と同じく,小胞体ストレス誘導性アポトーシスの場合も小胞体膜上に存在する三種類の小胞体ストレスセンサー分子(PERK,IRE1,ATF6)が小胞体機能障害のため小胞体内に構造異常タンパク質が蓄積したことを感知し,活性化されることから一連の反応が始まる1,2)。一般的に程度が強い刺激,持続時間が長い刺激が小胞体ストレス誘導性アポトーシス経路を活性化するが,同じ小胞体ストレスセンサーの活性化に始まりながら,細胞保護に働く場合と,アポトーシス誘導に働く場合とで,どのようにして反応機構を切り替えるのかは明確ではない。また,アポトーシス経路が活性化された状況下でも,同時に小胞体シャペロン分子BiPの誘導など小胞体機能改善維持・細胞保護機構も誘導されている。そのため,最終的に細胞死に至るか否かは両方の反応系の作用のバランスで決まる。
その後の過程は複雑で,解明されていない部分も大きいが,最終的にはミトコンドリアにアポトーシスシグナルが伝わり,ミトコンドリアからシトクロム
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