生体の科学63巻5号

2012年10月発行

特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官 3．ゴルジ体

ゴルジ体に局在するタンパク質群

著者： 中村暢宏¹ 石田竜一¹

所属機関： ¹京都産業大学 総合生命科学部

ページ範囲：P.408 - P.411

　ゴルジ体は小胞体で新規合成された膜タンパク質や分泌タンパク質を受け取り，糖鎖の付加やペプチド鎖の切断などの修飾を行い，さらにタンパク質の最終の品質管理を行ったのち，リソソームなどの細胞内オルガネラや形質膜へ向けて選別配送する重要な役割を担っている。本稿では，古典的な分泌タンパク質や膜タンパク質の加工にかかわるゴルジ体の酵素群について，次にゴルジ体の構造や機能の調節にかかわる主要なタンパク質群について，さらに近年明らかになってきたゴルジ体で情報伝達に働くタンパク質について，最後にゴルジ体への膜タンパク質局在化機構について概説したい。

参考文献

1）Warren G, Rothman J（eds）：The Golgi（Cold Spring Harbor Perspectives in Biology）, Cold Spring Harbor Laboratory, 2011

2）Mironov AA, Pavelka M：The Golgi Apparatus, Springer Verlag, Wien, Autria, 2008

3）Alberts B：Molecular biology of the cell, Garland Pub, 2008

：doi：10.1016/j. ceb. 2012.05.009, 2012

36：171-185, 2011

112：255-264, 2010