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特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官 3.ゴルジ体
フコシル化の機序とがんにおけるその異常
著者: 傍嶋智明1 中川勉1 三善英知1
所属機関: 1大阪大学大学院 医学系研究科 機能診断科学講座
ページ範囲:P.418 - P.419
文献購入ページに移動細胞表面に存在する多くのタンパク質には糖鎖が付加されていて,それらの機能を制御する。多くの糖鎖のなかで,フコシル化(フコースによる糖鎖付加)はがんや炎症と最も関係が深い糖鎖修飾として知られてきた1)。フコシル化は糖鎖の末端に結合するルイス型と,N型糖鎖の根元に結合するコアフコース型に大別される。特に後者の生合成にかかわるα1-6フコース転移酵素(fut8)のノックアウトマウスの研究から,コアフコースは増殖因子の受容体機能に重要であることがわかった2)。フコシル化の制御にはフコース転移酵素だけでなく,ドナー基質であるGDP-フコースも重要である。
GDP-フコースの合成経路には
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