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特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官 3.ゴルジ体
骨軟部肉腫におけるゴルジ装置タンパクGOLPH3とGOLPH3Lの発現上昇と細胞増殖への関与
著者: 瀬戸口啓夫1 救仁郷修2 中村俊介2 永野聡2 横内雅博2 小宮節郎2
所属機関: 1鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 近未来運動器医療創生学 2鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 整形外科学
ページ範囲:P.420 - P.421
文献購入ページに移動Scott4)らは肺がん,卵巣がん,乳がん,前立腺がん,メラノーマの患者腫瘍組織における染色体増幅を検討した結果,高頻度に5p13領域の遺伝子増幅が認められることを見出した。この領域にコードされる遺伝子の発現を検討した結果,がん組織ではゴルジ装置タンパクであるGOLPH3が高発現しており,腫瘍化や細胞増殖に関与している新たながん原遺伝子であることを報告した。GOLPH3が高発現している腫瘍細胞でGOLPH3の発現をノックダウンすると腫瘍細胞の増殖が抑制された。一方で正常細胞にGOLPH3を強制発現すると形質転換して腫瘍化することを示した。そのメカニズムとしてGOLPH3はレトロマー複合体の構成タンパクであるVPS35と結合してmammalian target of rapamycin(mTOR)を介した増殖シグナルを異常活性化し,腫瘍細胞の増殖や生存を誘導していることが示された。
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