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特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官 3.ゴルジ体
酸性オルガネラのpHホメオスタシスとアニオンチャネルGPHR
著者: 前田裕輔1
所属機関: 1大阪大学 微生物病研究所 免疫不全疾患研究分野
ページ範囲:P.422 - P.423
文献購入ページに移動 ●酸性オルガネラとは
細胞・生物は数多くの複雑な生命反応を効率的に遂行するために,空間的なコンパートメント化,すなわち器官形成や細胞のオルガネラ(小器官)形成という巧妙な手段を用いる。各々のコンパートメントはその機能・役割にとって最適な環境やタンパク質・脂質成分を保持している。コンパートメント内腔のpHはその機能にとって重要な環境因子の一つであり,厳密に調節されている。例えば細胞質では中性付近に調節されている。一方,分泌経路やエンドサイトーシス経路に位置するゴルジ装置,分泌小胞,分泌顆粒,エンドソーム,リソソームなどのオルガネラはその内腔側がpH 4.5~6.5程度の弱酸性に保たれ,大まかにいってタンパク質の流れに沿ってより酸性側に傾くpH勾配を形成している1,2)。それがゆえに,これらは総称して酸性オルガネラと呼ばれる。
細胞・生物は数多くの複雑な生命反応を効率的に遂行するために,空間的なコンパートメント化,すなわち器官形成や細胞のオルガネラ(小器官)形成という巧妙な手段を用いる。各々のコンパートメントはその機能・役割にとって最適な環境やタンパク質・脂質成分を保持している。コンパートメント内腔のpHはその機能にとって重要な環境因子の一つであり,厳密に調節されている。例えば細胞質では中性付近に調節されている。一方,分泌経路やエンドサイトーシス経路に位置するゴルジ装置,分泌小胞,分泌顆粒,エンドソーム,リソソームなどのオルガネラはその内腔側がpH 4.5~6.5程度の弱酸性に保たれ,大まかにいってタンパク質の流れに沿ってより酸性側に傾くpH勾配を形成している1,2)。それがゆえに,これらは総称して酸性オルガネラと呼ばれる。
参考文献
19:207-215, 2004
226:259-319, 2003
1792:903-914, 2009
10:1135-1145, 2008
132:2019-2025, 2012
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