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特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官 3.ゴルジ体
膜小胞輸送にかかわるADPリボシル化因子1の新規阻害剤AMF-26によるゴルジ装置の破壊と抗がん作用
著者: 大橋愛美1 矢守隆夫1
所属機関: 1がん研究会 がん化学療法センター 分子薬理部
ページ範囲:P.426 - P.428
文献購入ページに移動ADPリボシル化因子(Arf)はRasファミリーに属する低分子量G蛋白質で,グアニンヌクレオチドの結合型に応じて細胞内の情報伝達を担う。そのシグナル伝達系の乱れはがんなどの疾患の原因になりうるため,活性化の制御機構は有望な抗がん分子標的とみられている。Arfは通常GDPと結合し不活性型として存在するが,グアニンヌクレオチド交換因子(GEF)によってGDPが解離しGTPが結合することで,コンフォメーションが変化した活性化型となり,エフェクター分子と結合して下流へシグナルを伝達する(図1)。その後,GTPはArfのGTPase活性により水解され,Arfは不活性のGDP結合型に戻る。この一連のサイクルの律速段階はGEFによるGDP-GTP交換反応であることが知られている。
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