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文献詳細

雑誌文献

生体の科学63巻5号

2012年10月発行

文献概要

特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官 4.ミトコンドリア

パーキンソン病の発症機構とミトコンドリア

著者: 松田憲之1 田中啓二1

所属機関: 1東京都医学総合研究所 蛋白質代謝研究室

ページ範囲:P.438 - P.439

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 ミトコンドリアは生体内で必須の役割を担っている細胞内小器官であり,主な役割だけでもTCA回路やβ酸化などの代謝系,細胞内のカルシウムや鉄濃度の調整,効率的なATP合成などが知られている。一方でパーキンソン病(Parkinson's disease;PD)は高い罹患率を示す神経変性疾患であるが,最近,少なくともその一部がミトコンドリア品質管理の破綻によって発症することが示された。つまり,家族性劣性若年性PDの原因遺伝子産物であるPINK1とParkinは協調して異常ミトコンドリアをユビキチン化することで異常ミトコンドリアを分解/あるいは隔離し,最終的に細胞内ミトコンドリアの健強性を維持することが報告されている。この過程において,マイトファジーといわれる選択的なオートファジーの関与が提唱されて注目されている。本稿では,「PDの発症にミトコンドリアが関与する」ことがどのように証明されてきたのか,研究の歴史を振り返ってみたい。

参考文献

48:1787-1793, 1987
392:605-608, 1998
25:302-305, 2000
183:795-803, 2008
189:211-221, 2010
191:1367-1380, 2010
286:19630-19640, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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