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特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官 5.ペルオキシソーム
肝臓のペルオキシソーム分解
著者: 上野隆1 江崎淳二1
所属機関: 1順天堂大学 医学部 生化学第一講座
ページ範囲:P.460 - P.463
文献購入ページに移動生理的には脂肪酸や胆汁酸,コレステロール,プラスマローゲンなどの脂質代謝や,アミノ酸代謝で重要な働きを担う。なかでも教科書で真っ先に取り上げられていて周知されているのは極長鎖脂肪酸のβ酸化であろう。高脂肪食や高脂血症治療薬(脂質低下薬)を与えられた肝臓のペルオキシソームでは,C20-C22という炭素数の多い脂肪酸をβ酸化でC8程度の脂肪酸にまで分解する。ミトコンドリアのβ酸化と異なり,還元力を酸素と反応させてH2O2を生成するのでATP産生には寄与しない異化経路である。
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