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特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官 6.ファゴソーム
オートファジーの制御機構と生理機能
著者: 森下英晃1 水島昇1
所属機関: 1東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 細胞生理学分野
ページ範囲:P.474 - P.477
文献購入ページに移動オートファジーは細胞質成分をリソソームに輸送し分解する細胞内分解系である。オートファジー(autophagy)という名前は,ギリシア語の「自己(auto)+食べる(phagy)」を語源としてChristian de Duveが1963年に名付けた1)。これまでにオートファジーの種類として,マクロオートファジー,ミクロオートファジー,シャペロン介在性オートファジーの3種類が報告されている2)。マクロオートファジーは小胞を押しつぶしたような形状の隔離膜が細胞質中に出現することにより始まる(図)。隔離膜は細胞質成分を取り囲みながら伸張し,その先端が融合することで直径約1μmの二重膜のオートファゴソームとなる。その後リソソームと融合し,内容物は分解され,一重膜のオートリソソームとなる。分解産物は再利用される。ミクロオートファジーはリソソームの膜自体の陥入により細胞質成分を直接取り込む。シャペロン介在性オートファジーは基質タンパク質をリソソーム内へ直接透過させる。
最も大規模な分解経路であるマクロオートファジーの分子機構に関しては,酵母を用いた解析からこれまでに30種類以上のオートファジー関連分子(
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