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文献詳細

雑誌文献

生体の科学63巻5号

2012年10月発行

文献概要

特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官 6.ファゴソーム

アクチン結合性タンパク質Coronin-1aによる結核菌ファゴソームへのオートファゴソーム形成阻害機構

著者: 瀬戸真太郎1 辻村邦夫1 堀井俊伸1 小出幸夫1

所属機関: 1浜松医科大学 感染症学講座

ページ範囲:P.494 - P.495

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 ●Coroninファミリー遺伝子とCoronin-1aの構造

 Coronin-1aはCoroninファミリー遺伝子に属するアクチン結合性タンパク質である1)。Coroninファミリー遺伝子は酵母から哺乳類まで多くの真核生物に保存されている。Coroninは粘菌のアクチン/ミオシン複合体に結合するタンパク質として単離されて,粘菌細胞の王冠状突起に局在することからCoroninと命名された。Coroninはアクチンの枝分かれ構造に機能するArp2/3複合体と結合することによって,Arp2/3のアクチン繊維からの離脱を制御している。粘菌や酵母ではCoroninは1遺伝子しか存在しないが,ヒトやマウスでは7遺伝子存在する。

 結晶構造解析2)などによってCoronin-1aの立体構造は明らかになっている。N末端側は7枚のβプロペラによって構成されている。これらのβプロペラは五つのWDリピートと,その後に続く二つのβシート構造から形成されている。C末端側はコイルドコイル構造によって構成されている。このコイルドコイル構造によってCoronin-1aは三量体を形成している。さらに,C末端側でアクチン繊維と結合する。

参考文献

9:345-350, 1999
14:87-96, 2006
97:435-447, 1999
130:37-50, 2007
14:710-727, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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