文献詳細
特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官
8.膜小胞と封入体
文献概要
●神経変性疾患におけるユビキチン陽性細胞内封入体
アルツハイマー病(AD)やパーキンソン病(PD)などに代表される多くの神経変性疾患では,患者脳の神経細胞内に疾患特異的な封入体が観察される。例えば,ADでは神経原線維変化,PDではレビー小体と呼ばれる細胞内封入体が変性神経細胞内に認められ,前者ではタウ,後者ではαシヌクレインがそれらの異常構造物の主要な構成タンパク質であることが知られている。これらの構造物は多くの場合,リン酸化およびユビキチン化といった翻訳後修飾を受け,かつ高度に不溶化した線維状構造物である。これらの細胞内封入体が出現する部位では神経脱落が顕著に観察されることから,封入体あるいはその前段階の構造物と考えられるオリゴマーの細胞毒性により神経細胞死が誘導され,最終的に発症に至るのではないかと考えられている。
アルツハイマー病(AD)やパーキンソン病(PD)などに代表される多くの神経変性疾患では,患者脳の神経細胞内に疾患特異的な封入体が観察される。例えば,ADでは神経原線維変化,PDではレビー小体と呼ばれる細胞内封入体が変性神経細胞内に認められ,前者ではタウ,後者ではαシヌクレインがそれらの異常構造物の主要な構成タンパク質であることが知られている。これらの構造物は多くの場合,リン酸化およびユビキチン化といった翻訳後修飾を受け,かつ高度に不溶化した線維状構造物である。これらの細胞内封入体が出現する部位では神経脱落が顕著に観察されることから,封入体あるいはその前段階の構造物と考えられるオリゴマーの細胞毒性により神経細胞死が誘導され,最終的に発症に至るのではないかと考えられている。
参考文献
351:602-611, 2006
314:130-133, 2006
33:317-325, 2010
11:909-913, 2009
285:34885-34898, 2010
掲載誌情報