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特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官 8.膜小胞と封入体
ユビキチン陽性封入体とTDP-43
著者: 野中隆1 長谷川成人1
所属機関: 1東京都医学総合研究所 認知症プロジェクト
ページ範囲:P.528 - P.529
文献購入ページに移動アルツハイマー病(AD)やパーキンソン病(PD)などに代表される多くの神経変性疾患では,患者脳の神経細胞内に疾患特異的な封入体が観察される。例えば,ADでは神経原線維変化,PDではレビー小体と呼ばれる細胞内封入体が変性神経細胞内に認められ,前者ではタウ,後者ではαシヌクレインがそれらの異常構造物の主要な構成タンパク質であることが知られている。これらの構造物は多くの場合,リン酸化およびユビキチン化といった翻訳後修飾を受け,かつ高度に不溶化した線維状構造物である。これらの細胞内封入体が出現する部位では神経脱落が顕著に観察されることから,封入体あるいはその前段階の構造物と考えられるオリゴマーの細胞毒性により神経細胞死が誘導され,最終的に発症に至るのではないかと考えられている。
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