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特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官 8.膜小胞と封入体
レビー小体型認知症におけるテロメア長の短縮
著者: 岩本俊彦1 久米一誠1 菊川昌幸1
所属機関: 1東京医科大学 老年病科
ページ範囲:P.532 - P.533
文献購入ページに移動元来,レビー小体はパーキンソン病(PD)に特徴的な細胞封入体で,中脳黒質緻密帯や青斑に観察される。その大きさは様々であるが,いずれもエオジンに赤く染まる均一な構造物で,明瞭なhaloを有している。レビー小体の主成分はαシヌクレインで,アミノ酸残基140,遺伝子座4q21-22の蛋白とされる。このレビー小体がPDとは異なって大脳皮質にびまん性に出現し,認知症を呈したものがレビー小体型認知症(DLB;dementia with Lewy bodies)である。その特徴は臨床診断基準1)に記載されているが,αシヌクレインやレビー小体の成因や病態はいまだ明らかでない。当施設でDLB患者の血液,尿を用いてテロメア長および8-OHdG(8-hydroxy-deoxyguanosine)(核酸の酸化ストレス傷害を示唆するマーカー)の測定を行ったところ,DLBでは白血球テロメア長の短縮,尿中8-OHdGの増加が観察された2)。
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