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特集 神経回路の計測と操作
単一スパインでの情報伝達の可視化
著者: 西山潤1 安田涼平12
所属機関: 1デューク大学メディカルセンター 2マックスプランク・フロリダ研究所
ページ範囲:P.9 - P.13
文献購入ページに移動シナプスの長期増強(long-term potentiation;LTP)は記憶・学習の細胞モデルであり,その分子機構はこれまで盛んに研究されてきた。現在では,神経活動に伴ってスパインへCa2+が流入することが引き金となり,Ca2+/Calmodulin kinase Ⅱ(CaMK Ⅱ),Ras,Rho,Rabなどのsmall GTPase,extracellular signal-related kinase(ERK)など,多数の分子が関与することがわかっている。しかし,従来の生化学的手法では時間的・空間的な制約が大きく,一つのスパインに入力された信号がどのような機構でLTPに変換されていくのかほとんど明らかにされていなかった。本稿では単一スパインでの情報伝達の可視化を可能にするイメージング技術の進歩,およびそれによって明らかになったシナプス可塑性の時空間制御機構について述べる。
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