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文献詳細

雑誌文献

生体の科学64巻3号

2013年06月発行

文献概要

特集 細胞接着の制御

Notchシグナルを用いた人工遺伝子回路による細胞パターンの作製

著者: 松田充弘1 戎家美紀2

所属機関: 1京都大学大学院 生命科学研究科 2京都大学 生命科学系キャリアパス形成ユニット

ページ範囲:P.199 - P.205

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 多細胞生物は細胞間のコミュニケーションによって,様々な細胞パターンを形成する。模様のような細胞のパターンは,どのようにして形成されているのだろうか。われわれは遺伝子回路に注目し,細胞内に遺伝子回路を組み立て,細胞パターンを再構成することによって,遺伝子回路がどのようにして細胞パターンを実現しているのかを理解しようと考えた。近年,このような構成的な立場からのアプローチが盛んになってきており,大腸菌を用いた実験系で,拡散リガンド分子による細胞間コミュニケーションを用いて,目玉模様や縞模様を作ったという仕事が有名である1,2)。しかし,多細胞生物の細胞を用いて細胞のパターンを作った例はこれまでにほとんどなかった。

 そこでわれわれは哺乳類培養細胞を用い,多細胞生物に特有の,細胞接着依存的な細胞間のコミュニケーションによって,細胞のパターンを作製した。本稿ではシグナル伝播の挙動を示すような,Delta-Notchシグナル伝達を用いた細胞間ポジティブフィードバック回路の再構成について紹介する3)

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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