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特集 細胞接着の制御
細胞接着斑タンパク質Hic-5による足場依存性細胞増殖の制御機構
著者: 柴沼質子1
所属機関: 1昭和大学薬学部 生体分子薬学講座 腫瘍細胞生物学部門
ページ範囲:P.239 - P.243
文献購入ページに移動筆者らは,細胞接着斑タンパク質Hic(hydrogen peroxide-inducible clone)-5を単離し,機能解析を進めてきた2)。その結果,最近,Hic-5が,脱接着に応答して細胞周期を停止させる新規のfailsafeシステムを形成していることを見出した。Hic-5は構造的には細胞接着斑LIMタンパク質paxillinファミリーに属する。そのため,主に細胞接着斑においてインテグリンシグナルのアダプター分子として機能すると考えられがちである3)。しかし,Hic-5は接着斑に加えて,アクチン骨格上や核内にも局在可能であり,さらに細胞質と核間をシャトルしていることから(後述),多様な細胞応答にかかわる可能性を秘めている。本稿ではHic-5機能について,筆者らの最近の成果を紹介する。
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