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文献詳細

雑誌文献

生体の科学64巻4号

2013年08月発行

解説

Gタンパク質共役型受容体の進化

著者: 柳川正隆1 七田芳則2

所属機関: 1独立行政法人理化学研究所 佐甲細胞情報研究室 2京都大学大学院 理学研究科 生物物理学教室

ページ範囲:P.366 - P.374

文献概要

 Gタンパク質共役型受容体(G protein-coupled receptor;GPCR)は,ヒトゲノム上に約800種の遺伝子が同定されており,創薬の主要なターゲットとして注目されている。GPCRは7回膜貫通領域という共通の構造ドメインを持ち,細胞外の刺激を受容して三量体Gタンパク質を介した細胞内シグナル伝達系を駆動する。GPCRが受容する刺激は,光・匂い・味・神経伝達物質・イオン・ホルモンなど多岐にわたっており,刺激を受容する部位(リガンド結合部位)に関して多様化している。本稿では進化の過程でいかにしてGPCRが多様化し,一大スーパーファミリーを形成するに至ったのかについて,近年のゲノム解析の知見を交えて概説する。さらに,機能解析の進んでいる光受容体オプシン類の多様性を紹介し,われわれの視覚・非視覚系における光受容機構がどのように獲得されてきたかを議論する。また,オプシン類とはアミノ酸配列の相同性が乏しく,進化的に遠縁にあたる代謝型グルタミン酸受容体ファミリーが,いかにして共通のGタンパク質を活性化するのかという疑問に対して,構造機能相関の視点から議論したい。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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