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文献詳細

雑誌文献

生体の科学64巻5号

2013年10月発行

増大特集 細胞表面受容体

食塩感受性高血圧におけるβ2アドレナリン作動性受容体とナトリウム再吸収調節系(WNK4経路)

著者: 下澤達雄1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院 検査部

ページ範囲:P.386 - P.387

文献概要

 もし日本が100人の村であると高血圧患者が29人,糖尿病患者が6人,脂質代謝異常が17人程度になると言われており,高血圧患者が圧倒的に多いことがわかる。高血圧症は単一の要因からなるものでなく,その原因は様々で高血圧患者の90%以上は原因不明の本態性高血圧症と言われている。この本態性高血圧症は食塩摂取により血圧が上昇するタイプ,すなわち食塩感受性と食塩摂取により血圧が上昇しない食塩非感受性に大別できる1)。疫学調査からは食塩感受性高血圧は非感受性高血圧に比べ心血管予後が悪いこともわかっており2),食塩感受性の発症機序や診断法,より良い治療法の開発は急務と言える。なかでも発症機序については古くから研究されており,Guytonの圧利尿曲線理論(図1)が広く受け入れられ,圧利尿曲線の傾きを変える因子としてレニンアンジオテンシン系,交感神経といった体液性因子,あるいは加齢,各種遺伝多型候補が知られている。われわれは交感神経活動に着目して腎臓におけるナトリウム再吸収にかかわるチャネルの制御メカニズムを明らかにした3)

参考文献

69:334-344, 1980
350:1734-1737, 1997
17:573-580, 2011
293:1107-1112, 2001
24:765-773, 2004
331:1315-1319, 2011
376:1903-1909, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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