文献詳細
増大特集 細胞表面受容体
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文献概要
細胞膜は脂質二重層からなり水の透過性は低い。そこで多くの水が細胞膜を透過するには,水チャネル(アクアポリン;AQP)が必要である。AQPは1992年に発見され,哺乳類では現在13種類のAQPアイソフォーム(AQP0-AQP12)が確認されており,水を選択的に透過させるclassical aquaporins(AQP1,2,4,5),水のほかにグリセリンや尿素などの小分子を透過させるaquaglyceroporins(AQP3,7,9,10),いずれにも分類されがたいunorthodox aquaporins(AQP6,8,11,12)の三つのグループに分けられている。その構造は細胞膜を6回貫通し,N末端とC末端は細胞内に伸びており,細胞内のloop Bと細胞外のloop Eは脂質二重層に入り込み,チャネルの透過路を形成し,その部分には,アスパラギン-プロリン-アラニンからなるNPAボックスが存在し,水の透過性を規定している。AQPは“チャネル”とは言え,水の透過は両方向に可能で,浸透圧や静水圧が原動力となり受動的に行われる。生体内で水の移動が盛んに行われる器官には,いずれかのAQPアイソフォームが分布していることが多い。
参考文献
71(suppl 1):1-9, 2010
260:11-19, 2010
129:812-818, 2009
132:807-813, 2012
Apr 30. 2013[Epub ahead of print]
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